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企画

植物と居場所 vol.1 苔の息

2021.12.10 – 12.19
植物と居場所 vol.1 苔の息

12月19日 展覧会が終了しました

アノオンシツで、植物の居場所を共同制作で考える展示「植物と居場所」。その1回目の試みである「苔の息」展では、陶芸作家の安部郁乃さんと、朴炫貞が共同制作したインスタレーションを展開しました。
会場風景を記録します。

アノオンシツに入ると、台の上に、コンクリートのブロックの上に、苔が置かれた焼き物の器が置かれているものが見えます。そしてその手前には、ロウソクと、石の形をした焼き物が配置されています。

この石のような焼き物は、中に焼き物の破片が入っていて、動かすと小さな音がします。砂漠の薔薇をイメージし制作した器に合わせ、13の苔の器+石のセットを展示しました。参加者は、石を手にとり、音を鳴らしながら鑑賞することができます。

韓国語で苔は「イキ、이끼」といいます。この展示では、苔が息(イキ)をする居場所を見つめ、音とロウソクで体感ができる空間を目指しました。苔と器は、ブロックの上だけでなく、植物の鉢植えにも配置されていて、日常の中に広がる植物の居場所を想像できるようにしています。

昼と夜、雪が少ない時と、たくさん降ってきた時の印象がガラッと変わることも、今回の展示の大きな魅力でした。夜になると、ロウソクの揺らぎが目に入ります。苔が息をすることで生まれる酸素をもとに燃える炎が、鑑賞者の息で揺れるからです。苔やうつわ、石の様子は、ろうそくの明かりを照らしながら見るしつらえになっていました。

周囲の環境の影響を大きく受けるアノオンシツ。今回の「苔の息」展でも、冬ならではの自然と共にするインスタレーションとなりました。天候や時間帯によって、さまざまに変化し、見る方々に異なる印象をもたらしました。


植物と居場所 vol.1 苔の息

アノオンシツを舞台に、植物の居場所を共同制作で考える展示の1回目の試みとして、展覧会「苔の息」を開催します。本展は、陶芸作家の安部郁乃と、アノオンシツプロジェクト代表の朴炫貞によるインスタレーションです。北海道大学苫小牧研究林から採取した苔と、音のする石の形をした焼き物、そして見る人がつくりだす音が響くとき、アノオンシツはどのような場所に変わるのでしょうか。ぜひご来場ください。

森や道の端で見かける苔の居場所を考える中で、

テーマになったのは「砂漠の薔薇」という、石の形でした。

湿りすぎず、乾きすぎない、

苔が生きるちょうど良い居場所をつくる時、

石なのに砂漠の薔薇と名付けた石の形を用いた苔の居場所を、

描いてみました。

安部郁乃さんは、自然の材料に人間の温もりを加えることで

もう一つの自然に似た焼き物の作品をつくる作家です。

今回の展示では、そんな安部さんとアノオンシツを進めている朴が

北海道大学の苫小牧研究林からの苔を、

安部さんのうつわに引っ越させました。

また、苔の居場所と一緒に、音のする石の形をした焼き物を

一緒に展示します。

揺らすと広がる音は、まるで苔の息のように、

オンシツの中に響きます。

韓国語で苔は「イキ、이끼」といいます。

苔が息(イキ)する居場所を見つめ、音とロウソクで体感ができる

昼と夜で一変する空間で、みなさんをお待ちしております。

概要

植物と居場所 vol.1 苔の息

会期 2021年12月10日(金)、11日(土)、12日(日)、17日(金)、18日(土)、19日(日)
時間 12:00-18:00
休館 月曜〜木曜
会場 アノオンシツ(北海道札幌市北区北8条西11丁目2 北海道大学研究林内)
料金 無料

制作:安部郁乃 (陶芸作家) x 朴炫貞 (アーティスト、北海道大学CoSTEP特任講師)

主催:北海道大学 CoSTEP、北方生物圏フィールド科学センター
助成:乃村文化財団
協力:mangekyo、licht